若島 正

定価: ¥ 2,520
販売価格: ¥ 2,520
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発売日: 2004-12
発売元: 研究社
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小説への愛
書評集や論文集ではなく、読者と小説、それをつなげる読書という行為に関するエッセイ集です。
小説を読むという行為について、徹底的に肯定的なコメントは清々しいほどです。
読書で疲れた頭を休めるために、軽い読み物でも読もうという、読書好きの人にお勧めです。
「ロリータ」ショック
前作「乱視読者の帰還」を読んで、特にアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の分析には、感心してしまった。ミステリーなどと軽く読んでしまっては本当の面白さは得られないのだなと思うと同時に、真面目に読んでいくのも大変だなと。
「新冒険」でも同様の、いやそれ以上のショックを受けた。それはナボコフの「ロリータ」の構成の深さだ。素人でそこまで読み込むことは不可能であろうが、「ロリータ」を読み直してみたいと思っている。若島氏以上の発見があるとは思いもしないが、ミステリー以上の謎解きが隠れていないでもないだろうという気持ちも少しはあるのだ。
隠された部分
1979の処女作の改訂版。1/3強が新しくなったという印象。亀頭が悩む、丸谷のパロディ、芸妓のパフォーマンスなど、名編はたくさんのこっている。
植草甚一、アントニー・バージェスの『99Novels』、蓮実重彦のベスト10作り、など、元ネタ消しは気になるが、オリジナリティなどないと割り切っているなら、それもあっぱれ。
しかし一番気になるのは、植草やバージェス以後(80年代末以降)の作品紹介がきわめて少ないこと。そのあたりの指針こそ一番ほしいもの。それだけ「文学」は低迷しているとも思える。
作品1つ読む時間をこの本に割く価値はあるか? あると思った。そして割いた。まあ、あった。
